PDFの一部を、確実に隠す

契約書や申請書の氏名・住所を隠して提出したい。多くの人が、黒い四角を上に置いて塗りつぶします。それでは隠れていません。下の文字はPDFの中に残っていて、コピーすればそのまま読めます。実際に取り出した結果を先に見せます。作業はブラウザの中だけで完結し、書類はどこにも送信されません。

先に道具を見るなら——PDF JPG 変換サンプルで試す

実測: 黒く塗ったPDFから、氏名も住所も電話も取り出せました

架空の契約書を作り、氏名・住所・電話の上に黒い矩形を重ねました。左が、その見た目です。

黒い四角を重ねたPDF。値の列が黒く塗られている
黒い四角を重ねただけ
目では読めない(ように見える)
画像化してから隠したPDF。値の部分が潰れている
画像にしてから隠したもの
取り出せる文字は0

左のPDFから、文字を抽出する道具(pdftotext)で中身を取り出した結果です。

氏名
架空 太郎
住所
架空県サンプル市テスト町 9-99-9
電話
03-0000-0000

隠したはずの3項目が、そのまま出てきます。専用の道具が必要なわけでもありません。PDFを開いて、黒い部分をドラッグして選択し、コピーして貼り付けるだけでも同じことが起きます。

なぜ読めるのか——四角は「上に置いた」だけだから

PDFは、紙の写真ではありません。文字は文字として、図形は図形として、それぞれ別に記録されています。黒い矩形を重ねるという操作は、文字の上に不透明な図形を1つ足しただけです。下にある文字は消えていません。見えなくなっただけです。

だから、画面に表示するとき以外——コピー・テキスト抽出・全文検索・機械での読み取り——では、文字は最初から何も隠されていない状態で扱われます。この事故は自治体や企業の公開資料でも繰り返し起きています。

事故は2種類あります。対処も別です

ここが見落とされやすいところです。実際に検証していて、両方を踏みました。

事故原因対処
文字が取り出せてしまうPDFの中に文字情報が残っている画像にする
画面で読めてしまう隠した範囲が足りていない仕上がりを目で確認する

画像化は「取り出し」を止めるだけで、「見える」は止めません。逆に、範囲をしっかり隠しても、画像化していなければ文字は取り出せます。両方やって、はじめて隠れます。

上の左の画像を、もう一度見てください。実はこの1枚に、2つの事故が両方写っています。テキストが取り出せることに加えて、住所の末尾「9-9」が黒い四角からはみ出しています。矩形の大きさが足りていません。検証のために作ったものですが、まさに現場で起きている形そのものです。塗った直後は「隠れた」と思い込みやすく、端のはみ出しは目に入りません。

確実に隠す手順

  1. PDFを画像にする

    まずページを画像に変換します。この時点で文字は画素になり、PDFの中から文字情報が消えます。コピーしても検索しても、もう何も出てきません。

    サンプルで試す → PDF JPG 変換をひらく →
  2. 隠したい場所をなぞって潰す

    画像になったページの、隠したい範囲をドラッグで指定します。方式は「モザイク」を、強さは「」を選んでください。弱いぼかしは、元の文字を推定して復元できる可能性が指摘されています。

    範囲は、文字より少し広めに取ってください。ちょうどの大きさで囲むと、端が一文字だけはみ出します。

    画像 ぼかしをひらく →
  3. 画像をPDFに戻す

    提出先がPDFを求める場合は、隠し終えた画像をPDFに戻します。複数ページなら、順番に並べて1つのPDFにまとめられます。

    画像 PDF 変換をひらく →
  4. 仕上がりを、目で確認してから送る

    できたPDFを開いて、隠した部分が全部潰れているかを見てください。とくに端です。ページが複数あるなら、全ページを見ます。ここを省くと、片方の事故だけ直った状態で配ることになります。

    念のために文字が残っていないか確かめたいときは、そのPDFの黒い部分をドラッグして選択してみてください。選択できなければ、文字は残っていません。

この手順で作ったものが、最初に見せた右の画像です。同じ道具で文字を抽出したところ、取り出せた文字は0でした(空白を除く)。氏名も住所も電話も、もう取り出せません。

元のファイルは残しておいてください。 画像にすると、文字を選べなくなり、あとから修正もできなくなります。提出用と保管用は分けてください。なお、この作業で扱った書類はどこにも送信されていません——読み込みから変換・目隠し・書き出しまで、すべてお使いの端末のブラウザの中だけで処理しています。

よくある質問

書類はどこかに送られますか?

送られません。読み込みから変換・目隠し・ダウンロードまで、すべてブラウザの中だけで処理します。契約書や申請書のような、外に出せない書類のためのやり方です。

Acrobatの「墨消し」機能とは違うのですか?

Acrobat Proの墨消し(Redaction)は、文字そのものをPDFから削除する専用機能です。正しく使えば確実で、文字を残しません。本ページの手順は、その機能を持っていない場合に、無料でブラウザだけで同じ結果を得るためのものです。

黒く塗るのではなく、白で塗ればいいのでは?

同じです。白い四角も「上に置いた図形」なので、下の文字は残ります。色は関係ありません。

画像にすると、文字がぼやけませんか?

2倍の解像度で変換するので、画面表示にも印刷にも耐えます。ただし文字を選択・検索することはできなくなります。それが「文字情報を消す」ということの裏返しです。

スキャンした書類(もともと画像のPDF)はどうなりますか?

もともと文字情報を持っていないので、取り出される心配はありません。範囲を隠すだけで十分です。ただし文字起こしで読み取れる状態ではあるため、隠す範囲は同じように広めに取ってください。

この手順を、いま試す

PDFを画像にして、隠せる状態にする

PDF JPG 変換をひらく 手元にファイルが無ければ、サンプルで試す

関連する手順

全機能無料。 使う・確認はそのまま。結果の持ち帰り(ダウンロード)だけ無料の登録を1回お願いしています(メールの用途はメルマガと製品のお知らせのみ)。ほかの道具は道具の棚へ。